他の形で返すという方法

サラリーマン生活を終え、年金を頂きながら、趣味のそば打ちとゴルフ三昧の実父が、仕事に行き始めました。それは、ショッピングセンターの雑用係です。開店前の店内を整えるため、掃除から、カート集め、搬入まで色々こなすそうです。

「タバコを吸わないのに、タバコの吸殻の掃除をさせられて、可愛そうだね~」実母は言います。2年前までしっかり吸っていた実父が、タバコをスパッと止められたのには驚きました・・・。

「でもね、お父さん、今まで、散々タバコのポイ捨てしてきたでしょ。その分、今、人の吸殻を片付ければ、それでいいんじゃない」

「そうだなぁ。今までの分、片付けないとなぁ」妙に納得している父・・・。進歩だわ♪

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 うちの旦那は、よく会社の後輩に夜食や夕食、飲み会などでおごってあげているようです。

「あいつ、がんばってるから、ちょっとおごってあげないとな・・・」

「しっかり、おごってあげなよ~。昔、さんざん先輩たちにおごってもらったんだから、今返しておかなきゃあ」

学生時代、私たちは、体育会系のクラブに所属していたこともあり、面倒見のいい先輩方に恵まれていました。

「おい、柴田、飯食いに行くぞー。来るか?」

「先輩、オレ、50円しか持ってないんですけど、いいですか♪」

「しょーがねーなぁ。来い!」

だいたい所持金50円で、大学に来ていることさえ、私には理解できなかったのですが・・・。

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そういう私も、学生アルバイト時代、社員の方に、いつもランチをおごってもらっていました。その辺の定食の場合もありましたし、当時初めて行くような、お洒落なレストランの場合もありました。その方には、お返しすることはできなかったけれど、今、そしてこれから、その方にやって頂いたことを、誰かにやってあげたいなぁと思うんです。そしてその誰かが、また次の誰かに返していけば、何かステキなんじゃないかって・・・。

もちろん、親切にして頂いた相手に、直接何かをお返しすることも大切なんですけどね。それに何年もたってから気付いた時、やりたくてもできなかった時、急に思い出した時、他の形で返すという方法もあるのではないかと、私は思います♪